生乳1日6トン泣く泣く廃棄

地震は地域の特産品にも大きな被害をもたらしているようだ。
「ASOMILK」のブランド名で低温殺菌牛乳を製造・出荷している熊本県阿蘇市三久保の阿部牧場では、未明に「本震」が起きた16日から、1日約6トンの生乳を絞っては捨てたという。断水で、生乳を集めるパイプや製造装置などを洗う水が確保できないためだという。停電で搾乳機も使えないが、毎日搾乳しないと乳牛は乳房炎を起こすので、自家発電機を使い搾乳を続けているそうだ。阿部寛樹社長は「ミルクは一滴も捨てたくないが、泣く泣く廃棄している。電源の燃料確保など不安もある」と話しているという。
生乳は通常、酪農家から専門業者が乳業工場に運び、牛乳や乳製品担って消費者にわたる。だが、阿蘇地方では道路が通れなくなったり、ガソリンが不足したりしていて、酪農家から生乳を集められない状況だという。
生乳は専用のクーラーで温度を1度に保つ必要があるが、県内にある4乳業工場も被災して一時、操業を停止。県酪農業協同組合連合会は、自分で貯蔵できない分は自主廃棄するよう16日付で要請したとのこと。担当者は「未曾有の事態を受けた苦渋の選択だった」と話しているという。
17日から一部で生乳の集荷を再開したそうだが、道路の寸断や停電は続いているという。県畜産課は「乳業工場が稼働したとしても、生乳を集めるためのインフラを整えるのにはかなり時間がかかりそうだ」としている。
生産者としては辛いと思うが、仕方のないことなのだろう。一刻も早くインフラが復旧してくれればいいのだが。